農園について
Farm Story

メッセージ

見て・触れて・全身で味わう…

東北一のいちごの産地で、陽の光をたっぷり浴びて、真っ赤に育ついちご。
亘理町・山元町は穏やかな気候風土で「いちご王国」と呼ばれています。
総面積3万2千平方メートルの敷地にいちご23万本が生い茂る、東北最大級のいちご農園です。

時間と手間をかけた完熟したいちごのみを味わえ、ハウスに隣接するカフェでもいちごの魅力をたっぷりお楽しみいただけます!
他、自社製いちごをたっぷり使用した手作りバームクーヘン、いちごワイン、そして施設見学など、見所いっぱいの総合農園となっております。山元町へいらした際は、ぜひお越しくださいませ。

営業時間とご料金

時期により営業時間や料金が変わる場合がございますので、ご来園前にご確認ください。


各営業時間表

それぞれの営業時間は以下の通りとなります。
カフェは7月1日~10月31日まで、毎週火曜日が定休となります。元旦は休業いたします。平日のバームクーヘンご購入は、併設している「ベリーベリーラボ」内で販売しております。ネットショップでは、時期に関わらず販売しておりますのでぜひご利用ください。

営業時間 休業日
いちご狩り 10:00〜16:00 元旦
カフェ 10:00〜17:00
※ラストオーダー16:30
火曜日
※いちご狩り期間は元旦のみ休業
ワイナリー 10:00〜15:00
※12:00~13:00時間外
月曜日

イベントのご案内

今後のイベント予定計画をご案内しています。日程・期間・イベント内容などは都合により変更となる場合がございますので、来園前にご確認ください。

年間イベント表
イベント紹介
農園マップ&施設紹介
震災からの復興

復興初期

宮城県山元町は未曾有の津波被害を受け、沢山の家と人命が奪われました。かつていちごがたわわに実っていた場所には、瓦礫と塩水の染み込んだ土地が残されるばかり。
いちごの産地だったこの町に、一日でも早くいちごを取り戻す。そんな熱い想いを胸に奮闘し続け、震災から一年を待たずして高設でのいちご栽培を開始しました。

復興途上

ベリーベリーラボ完成時。現在とは異なり、周囲が未だ閑散としていました。
ラボ内の商品ラインアップはまだ少なく、棚には空きがある状況でした。しかし、震災後初めて実った真っ赤ないちごの果実は、復興の灯のように思えました。

現在の農園

おかげさまを持ちまして、現在いちご狩りの最盛期には満員御礼の状況となっております。
今後はさらに多くのお客様にご満足いただけるよう、新たな事に挑戦しつつ日進月歩邁進していきます。

未来に向けて

山元いちご農園事業マップ

当初は社名の通り、いちごの生産・販売のみを行ういちご農家でありました。
それが時を経るにつれ、ブドウの生産やワインの醸造に取り組んだり、ハーブの生産・商品化に挑戦したり、観光として楽しめるよう施設を整えたりと、6次産業を軸とした総合農園を目指しております。

復興から地域活性化に向けて

しかし、現状を見ると私達はまだまだ発展途上で、目標達成には沢山のハードルがあります。
ハーブ・ブドウの生産や、最新の自動制御による栽培施設の稼動、バームクーヘンなどの新商品開発は始まったばかりですし、観光農園としての施設整備もまだまだ十分とは言えません。
多くの方々が年間を通して山元町に来て楽しんでいただく事で、雇用の安定化を推進しつつ定住者を増やし、より地域が活性化していく事を望んでおります。

いちごのおはなし

いちごの栽培に至るまで

震災前の山元いちご農園では元々、畑に直接いちごを植えて育てておりました。しかし復興ページでもご説明しましたように、津波の浸水によって土壌の塩分濃度が高くなり、今までの地植えによる栽培方法が使えなくなりました。
そこで新たな栽培方法の模索が始まり、結果ハウス内での高設によるいちご栽培が震災から数ヶ月経った後に本格始動しました。

栽培法も大事ですが、いちごの品種選びも農園としての方向性が決まるので大事なプロセスです。人やお金も限られた中で無駄なく生産・収穫するためには、栽培時期をずらしつつ、安定した収穫量が期待でき、同時にいちごの甘み・酸味・香り・硬さ・形・大きさなどそれぞれ特徴のあるものを選び出さなければなりません。あまり栽培品種を増やすわけにもいかず、甘みと酸味のバランスが良い人気品種「とちおとめ」、形が良く果肉が鮮やかな赤色の「にこにこベリー」、そして宮城県品種で大粒、かつすっきりとした甘みが特徴の「もういっこ」の3つに絞り込んだのは結果として正解だったと思います。

完熟したいちごをお手元に

当農園では、出来るだけへたの部分まで完熟したいちごを選別して販売しております。完熟であるためつぶれやすく、痛みやすいのでお手元に届きましたら早めに食べて頂くか、又はもぎたてをすぐに食べられるいちご狩りもお勧めです。
遠地に配送する際にはいちご専用の特別なパック「ゆりかご」を使用し、文字通り揺りかごのようにいちごを優しく包んでくれるので、配送時の揺れでもつぶれにくくなっております。ネットでのご注文もご安心ください。当農園の完熟いちごをぜひご賞味あれ!

いちご本来の風味を生かせるように

収穫したいちごを自社で加工する際には、いちご本来の味・香り・色などを出来るだけ生かすようにしています。
例えばジャムの場合は保存料などを使わず、いちご・砂糖・レモン果汁のみで作成しています。いちごチップの場合は、熱を加えると風味が落ちてしまうので、マイクロ波や低温乾燥など、風味が抜けにくい工夫をしております。

ワインのおはなし

ワインへのこだわり

コンセプトは「ごまかしのない本物へのこだわり」。
素材・醸造・品質・風味、どれも妥協なく追求しています。

当農園のいちごワインは、下記のように「原料処理」「醸造」「品質管理」「充填」「ラベリング」の5つの工程を経て作られています。

  •  STEP1「原料処理」

    ワインづくりの最初の工程が原料処理です。
    先ず、破砕機を使用していちご(写真ではブドウ)を潰します。果肉や果汁の混ざり合った、ワインの基となる物を「醪(もろみ)」と呼びます。

  •  STEP2「醸造」

    ポンプで送られた醪(もろみ)や果汁は「マスト」と呼ばれます。
    はじめにこのマストのPHを調節します。PHが高いと、カビやバクテリアの繁殖が進み、ワインが劣化しやすくなるからです。
    次に、マストに酵母を添加します。添加後は24時間静置し、酵母の数を増やします。

  •  STEP3「品質管理」

    発酵中のワインを定期的に検査し、品質を管理する作業は大変重要です。
    PHや糖度、比重、アルコール度数、酵母の栄養源となる資化性窒素などがワイン中にどの程度含まれているのか分析し、試飲をして発酵状況を確認します。
    ここでワインの味を決めていくことになります。

  •  STEP4「充填」

    発酵が終わったワインは瓶に充填されます。
    写真の充填室ではワインの殺菌・瓶の洗浄・瓶詰め・キャップ締めまでの一連の充填作業を行っています。
    スパークリングワインを製造する場合は、さらに炭酸充填機を用いて、ワインを冷やしながら炭酸を加えます。

  •  STEP5「ラベリング」

    最後は充填されたワインにキャップシールとワインのラベルを貼り付け、商品の出来上がりです。
    やまもとワイナリーは、小規模で多種類のワインを生産しているので、ラベル貼りの作業はオートメーションではなく、一本一本に丹精を込めて手動で行っています。

バームのおはなし

やまもとバームクーヘンの起こり

2016年の冬、山元町を通過する電車「常磐線」が再開しました。それに合わせて農園では、ワイナリーで醸造したいちごワインが誕生、以後農園のいちごを使用して、自社加工品を増やしていくこととしました。
いちごワインを作りたい、という思いとともに、農園では「バームクーヘンを作りたい」という思いも持っていました。農園のいちごの魅力をたっぷりと感じられる、ふわふわやわらかなバームクーヘンを作り、いちご狩りやカフェに訪れたお客様に召し上がっていただきたいという思いの下、いちごワインに並ぶお土産開発がスタートしました。

暗中模索からのスタート

とはいえ農園には、バームクーヘンの経験者などおらず、技術をはじめ何から考えていけば良いのか、ゼロからのスタートでした。農園としてどんなことをポイントとして売り出したいのか、またバームクーヘンを焼く技術は十分に身につくのか。はじめは製造施設が建っていなかったため、焼くことができず商品イメージが全く掴めない毎日でした。レシピの載っている書籍を見たり、パッケージの案を出してみたりと商品がない中でできることを進めていました。また、今後の製造でご協力いただけないか、県内の製菓専門学校へ依頼に伺いました。

作り方を学ぶため神戸へ

商品化の過程で本格的なスタートとなったのは、バームクーヘン焼成技術を教わるために8月神戸へ行った時でした。1年以上前から始まっていた事業でしたが、イメージが掴めないままだったので、やっと自分たちで焼くことができると思うととても嬉しく感じました。製造工程や必要物など、全体像が見え、バーム事業立ち上げがスムーズになりました。必要な資材のリストアップと購入を中心に着々と準備しました。

いちごらしさを出すため試行錯誤

おおよその焼成技術が身についたものの、いちごバームに使用するソースや材料はなかなか決まりませんでした。関係のあるパティシエの方にレシピ相談に行ったり、今のスイーツのトレンドを伺ったりしました。どんないちご加工品が利用できそうか、10月頃から材料を考え出しました。

発想の転換-自社のいちご商品をバームに

10月半ば、バームクーヘンの施設であるログハウスが完成しました。オーブンなど機械が設置されたのを機に、再度研修が行われました。準備・生地作り・焼き方まで、全体で満足なものが出来るよう励みました。
いちごバームの生地には、農園のいちごを使用したシロップやワインを使用。完成したいちごバームは、とても優しいピンク色に仕上がりました。またいちごを低温減圧という特殊な方法で乾燥させ、素材の風味をそのまま楽しめる「まるごろっといちご」を砕き、バームクーヘンの外側にコーティングしました。この真っ赤な粒が散りばめられたバームを、いちごバームクーヘンにしようと決まりました。

ログハウス「やまもとバーム」の完成!

同時にログハウスの店名も考案がスタートしていました。ここは一室が製造スペースで、他はお客様にご来店いただける直売所になっています。製造スタッフで店名をたくさん考え、社内アンケートを実施しました。可愛いイメージのあるお菓子屋さんにしたい、呼びやすい名前にしたいなど様々な意見が出た中、「夢工房 やまもとバーム」という店名になりました。「バームクーヘンを作っている施設ということがすぐわかるようにしたい」「山元町の復興や農業に懸ける夢を持ち続けたい」との思いで決まりました。

最初のお披露目

11月19日(日)、山元町で産業振興祭というイベントが予定されていました。農園では、そこでバームクーヘンを皆様にお披露目しよう、ということに決めました。いちごバームをメインに、プレーン、コーヒーのバームを作りました。また、食感がさくさくとしたハードバームも販売することにしました。当日はバームクーヘンのカット前、1本まるごと試食も実施。会場に訪れた多くの方々に、農園のバームクーヘンを手に取っていただけました。バームクーヘンはお子様でも、ご年配の方にも召し上がっていただけるため、お客様の年代は幅広く感じました。

これから

初めて多くのお客さまにバームクーヘンをご購入いただき、より力を入れて商品作りをしていきたい思いが増しました。12月には、「夢工房やまもとバーム」での販売がスタートしました。内装はログハウスのイメージに沿って、ナチュラルで温かみのある雰囲気にしました。ここではいちごジャムやハーブティーなど、バームクーヘンと合わせて楽しめる商品を陳列しています。
今年もいちご狩りで多くの方にお越しいただけるのを心待ちにしています。今年誕生したばかりの、山元いちご農園オリジナルバームクーヘン、是非お楽しみください。

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