やまもとワイナリー思い出アルバム

第五回:「ワイナリースタッフと酵母との闘い、仲直り」

ワインは生き物

ワインは生き物とはよく言われる。タンクの中でぶくぶくと発酵しているワインを観察していると、本当にそうだなと思う。

醸造中のワインから立ち上る炭酸ガスの泡は、酵母達が元気に働いている証拠だ。

美味しいワインを作ってくれる酵母だが、前回の記事にも書いた通り、場合によっては問題になってしまうこともある。

ワイン造りでの酵母のはたらき

酵母はワインを醸造するとき、果汁中の糖分を使ってアルコールを作る。

出荷されたワインが店に出た後に漏れ出てしまったのは、ワイン瓶の中の酵母がワイン内に残っていた糖分を使って発酵してしまったために起きたことだった。

炭酸無しのはずがしゅわしゅわ・・・

ろ過の過程で酵母はフィルターで除去されるはずだったが、ろ過の際の圧力が強すぎたせいで、酵母が網目を通り抜けてしまった可能性が考えられた。

また、酵母菌の一種である産膜酵母という白い膜ができてしまう事例も見られた。

今まで手助けをしてくれていた酵母が、こんなことも起こしてしまうとは。

ワインづくりの難しさを痛感した出来事だった。

酵母は相棒だけど時には・・・

そこで考えられたのは「火入れ」という方法だ。

簡単に言えば熱処理のことであり、酵母が耐えられない熱さまで一旦ワインを熱し、速やかに冷ます方法だ。

本来は日本酒の製造で行われるものだが、それをいちごワインにも使えないかと試みた。

その結果、火入れを行ったものはしばらく経っても再発酵せず、産膜も発生しなかった。

これで、いちごワインの最大の課題とも言える問題点は改善された。

問題発生と解決。目標に向け着実に

いちごワインは前例が少なく、ぶどうのワインとは異なる部分も多くある。

ワイナリースタッフも醸造歴が浅く、ワインに変化がみられるとてんてこ舞いだ。

油断できない日々だが、それでも問題を一つ一つ解決していくことで目標とする「真実のいちごワイン」に近づいている実感を得られた。

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